▼続・艦隊戦における強さとは
「艦隊戦要諦」記事群、続けます。前回記事[9月12日]の末尾で、艦隊戦における個の強さの条件には、PC性能やキャラのスキルランクとは別次元の水準で、現在のモードを肌で知っていることと、過去の蓄積をONの状態に保っていることの二つがあることを述べました。
この二点を抑えているプレイヤーは、抑えてないけど漫然と自信はあるプレイヤーと比べて、開戦後の動きかたが明確に異なってきます。なぜなら戦闘のさなかにあって前者は自らの可能域に対して“複層的思考”を巡らせ相互に“数秒先のイメージの共有”を図れるのに対し、後者はただひたすら己の射程圏付近の情勢に逐次対応していくしかないからです。
現状のスキルやアイテム、艤装性能の効果幅を熟知することなしに、同時に幾つもの作業を迫られる局面において為しうる最良の選択をベストオーダーで働かせ続けることはできませんし、現下においてどのような艦隊行動が妥当かを踏まえることなしに数秒先の艦隊配置をイメージすることなどできません。数多くある大航海時代のプレーヤーズブログでよく登場する“視野の広さ”とは、こうしたもろもろの観点のトータル概念であって、ある一瞬を切り取って物理的に遠距離まで見通せることでは必ずしもないのですね。
前回記事でも拝借した台湾サーバのプレイヤーによる他の録画で、このことが分かりやすい形で現れているものがあったのでご紹介。↓
http://www.youtube.com/watch?v=0cuZgkTs_4E
このプレイヤー(録画主)、序盤は孤立しそうな味方旗艦を追いますが、左に大きく逸れた僚艦が敵アタッカーの背後に回ったのを見届けると、敵旗艦を追って孤立した別の僚艦への加勢に転じ、結果的には敵旗のコンボ撃沈に至るという獅子奮迅の活躍を見せています。後半で自艦が敵旗艦からクリティカル性の砲撃をもらった直後に他の敵艦を船尾から沈めてもいますが、この距離での旗艦の砲撃であればクリ被撃でも沈まないというダメージ幅の読み(とくに旗艦は回避等の防御系スキルを入れてる可能性が高いので)と、コンボ砲撃は来ないという状況判断がここにはあったはず。(というか、ノトス定例模擬の常連さんならおそらく多くがそう読みます。) 頻繁な視点の切り換えにより、遠方の戦況を適時確認しているところもポイントです。
これ、前回記事の「2.散開モード」と同じかたの動画なんですが、他をみてもこのかたが艦隊の鍵になっているのがよく窺えますね。実際、自身の動画を公開するかたは上昇志向が旺盛なのか、あとから始めても短期間で強くなる傾向を感じます。PC環境が許すなら、敢えて自分の醜態も込みで公開していくのも優れた自己鍛錬法かもしれません。
さて上記プレイヤーによる20に及ぶ動画、すべて今年6月10日に録画されているわけですが、同じ日にノトスで行われた模擬動画もご紹介↓ 今や自身の名を冠した(?)模擬団体まで存在するMr.マリオサンによる録画です。(さん付けも氏呼ばわりも微妙なのでMr.採用。なぜかしっくり来てます)
【マリオサン】大航海日記 より6月10日合同模擬動画
http://diarynote.jp/d/77597/20060611.html
上記URLから飛べる[20060610]フォルダに6つの動画が格納されています。3番目の動画は5隻目の単独行がうまくいった例、5番目の動画は白兵捕捉/離脱後の典型的な旗艦への集中砲火の例としてなどそれぞれに一見の価値ありですが、ここでは特に1番目の動画を扱います。艦隊構成は以下の通り。(動画解説の都合上、お名前もここに出します。敬称略、断りなしのご無礼お許しを)
攻撃側: レムオン Ryoji 超獣兵A マリオサン UOA(旗)
防御側: フェティ Vistalia セスタス ころやん goodbye(旗)
7分20秒に及ぶこの戦闘、局面局面ではそうとう手堅くノトスサーバに典型的な展開が維持されてかなりの名勝負の一つとも言える一方で、総体としては非常にレアな戦況が繰り広げられています。どのように珍しいかを列挙すると、
a. 戦局が一度も分断されていない
b. 白兵戦が無駄に連なるダンゴ状況がない
c. ライン際での攻防が皆無
d. 7分20秒に及ぶ撃沈ゼロ状態
という感じに。2vs2 + 3vs3 という起こりがちな分断が一度もなく、無意味な位置での無目的な白兵戦もまず起きていません。そして開幕後戦闘終了までの7分20秒間、沈没は最後の旗艦1隻のみ。なぜそうなったかを考えると、一つには実はこれ模擬開始後すでに3-4時間をへたあとの戦闘で脳筋プレイヤー以外はすでに寝てしまい、残った面子はみな十分にエンジンがかかってかつほどよく疲労しているため、凄味すら感じる操船をそこそこで見せつつも無闇な冒険はしなくなったという理由は多分あります。実際、わたしも含めいつもより抑えが利いてるかたがちらほら。
自艦の動きについて言えば序盤は様子見で回避優先、遠巻きに撃っていたのですが、中盤[2:38-]からは戦局の中心をぶった切り外へ出て、旋回後また中央を突っ切るという動作を繰り返しています。これは主に、提督の技量としてUOAさんがわたしより遥かに上なことをよく知っているための判断でした。もし戦局が分かれた場合、不利になるのは戦局に占める一隻当たりの重みが増すわたしのほう、なので敢えて単一戦局の渦中から離れないという発想です。すれ違いざまの僚艦に、自艦を追ってくる敵アッタカーへの不意撃ちを期待もしています。加えてUOAさんは提督時にも敵旗の撃沈を積極的に狙っていくタイプで、他の艦隊メンバーはいずれも両旗の状態を意識から外すことのない手練れ揃いなので、自然と戦局の分断やライン際での攻防が起こりえない展開に。
画面のそこかしこで見られる囲い込みの連携[ex.5:14-24]や、両舷側から挟み込む形での寄せの意識[ex.3:44-54]、攻守両面での僚艦白兵時の他艦による凌ぎ合い[ex.3:31,4:12-22,6:19-44]や、各々の弾筋や装填速度の読み合いのすえ相次いで生じるギリギリの角度と時差でのクリティカル回避、Mr.マリオサンのアイテム使用、スキル切り換えのタイミング等々、これから本格的に艦隊戦をというかたにとっては見れば見るほど活かせる点の発見があること請け合いです。ぜひ参考にしてみて下さい。同年同日録画の台湾サーバの動画群との比較という観点も面白いかも。(但し3ヶ月前のものゆえ、現役プレイヤーの戦術も今は変わっている点があることは付言しておきます)
またこのフォルダ中の動画には他にも以前リンクを貼らせてもらったAkiwoさんやFregeさんなど、すでに引退された猛者の姿も見られます。各々に味のある‘らしい’動きを見せてくれてます。戦いぶりにおいても明瞭にキャラの立つかたの登場する動画は、思わず感心する瞬間も多く観ていて楽しいものですね。
▼艦隊行動と個性 [予告]
さらに続きます。とはいえ長くなったので今宵はここまで。次回は「艦隊行動における個性とは」をメインに考えます。 以下オマケ↓ 動画で10分近くあるので、休憩時に甘いものとコーヒーでも片手にどうぞ。
Orbital "Halcyon" on the image of "2001 Space Odyssey"
http://www.youtube.com/watch?v=KXN9r6tPgHU
できれば音量大、動画右下のアイコンからフルスクリーンモードで鑑賞するのがよろしかろう。
曲はオービタル、映像は前回記事でご登場いただいたキューブリック“2001年宇宙の旅”からよく知られた‘あの’シーン。すでに見飽きたとお感じのかたも多いでしょうが、騙されたと思ってもう一度じっくり味わってみて下さい。何かしら新たな感興を催すはず。
以前に私的な音楽傾向を書いたことがありましたが[8月24日記事「一千の虚夢」]、それを読んだフレの一人からオフ会で会った際に“シュミ暗いなぁ”という感想をいただきました。(笑) もともとその記事に書いたようなダウナー系の濃い鑑賞傾向に至るのには、中学時代に1年ほどテクノ系のアップテンポな曲ばかり聴いた時期を経由してのことなのですが、オービタルはいわばその頃の名残りのようなものです。(いま初めてオービタルってカタカナで書いて、字面のカッコ悪さにちょっとびっくりw)
ともあれ世界各地でこの映像のダビングテープと、マツモトキヨシでは売ってないドラッグ類を仕入れてぶっ飛んだ経験をもつひとの総数は、もしかしたら数百万の単位では足りないかもですね。子を産む前、頭が禿げだす前の‘青春時代’をそうして過ごした世代が現実としていま世界を牽引していることに思いめぐらせば、日本を含むアメリカ同盟国による正義の殺戮も、環境破壊による文明社会の自傷行為もなんだかすべて微笑ましい子供の戯れのようにも思えてきます。はははは、ははは。いけません。
「艦隊戦要諦」記事群、続けます。前回記事[9月12日]の末尾で、艦隊戦における個の強さの条件には、PC性能やキャラのスキルランクとは別次元の水準で、現在のモードを肌で知っていることと、過去の蓄積をONの状態に保っていることの二つがあることを述べました。
この二点を抑えているプレイヤーは、抑えてないけど漫然と自信はあるプレイヤーと比べて、開戦後の動きかたが明確に異なってきます。なぜなら戦闘のさなかにあって前者は自らの可能域に対して“複層的思考”を巡らせ相互に“数秒先のイメージの共有”を図れるのに対し、後者はただひたすら己の射程圏付近の情勢に逐次対応していくしかないからです。
現状のスキルやアイテム、艤装性能の効果幅を熟知することなしに、同時に幾つもの作業を迫られる局面において為しうる最良の選択をベストオーダーで働かせ続けることはできませんし、現下においてどのような艦隊行動が妥当かを踏まえることなしに数秒先の艦隊配置をイメージすることなどできません。数多くある大航海時代のプレーヤーズブログでよく登場する“視野の広さ”とは、こうしたもろもろの観点のトータル概念であって、ある一瞬を切り取って物理的に遠距離まで見通せることでは必ずしもないのですね。
前回記事でも拝借した台湾サーバのプレイヤーによる他の録画で、このことが分かりやすい形で現れているものがあったのでご紹介。↓
http://www.youtube.com/watch?v=0cuZgkTs_4E
このプレイヤー(録画主)、序盤は孤立しそうな味方旗艦を追いますが、左に大きく逸れた僚艦が敵アタッカーの背後に回ったのを見届けると、敵旗艦を追って孤立した別の僚艦への加勢に転じ、結果的には敵旗のコンボ撃沈に至るという獅子奮迅の活躍を見せています。後半で自艦が敵旗艦からクリティカル性の砲撃をもらった直後に他の敵艦を船尾から沈めてもいますが、この距離での旗艦の砲撃であればクリ被撃でも沈まないというダメージ幅の読み(とくに旗艦は回避等の防御系スキルを入れてる可能性が高いので)と、コンボ砲撃は来ないという状況判断がここにはあったはず。(というか、ノトス定例模擬の常連さんならおそらく多くがそう読みます。) 頻繁な視点の切り換えにより、遠方の戦況を適時確認しているところもポイントです。
これ、前回記事の「2.散開モード」と同じかたの動画なんですが、他をみてもこのかたが艦隊の鍵になっているのがよく窺えますね。実際、自身の動画を公開するかたは上昇志向が旺盛なのか、あとから始めても短期間で強くなる傾向を感じます。PC環境が許すなら、敢えて自分の醜態も込みで公開していくのも優れた自己鍛錬法かもしれません。
さて上記プレイヤーによる20に及ぶ動画、すべて今年6月10日に録画されているわけですが、同じ日にノトスで行われた模擬動画もご紹介↓ 今や自身の名を冠した(?)模擬団体まで存在するMr.マリオサンによる録画です。(さん付けも氏呼ばわりも微妙なのでMr.採用。なぜかしっくり来てます)
【マリオサン】大航海日記 より6月10日合同模擬動画
http://diarynote.jp/d/77597/20060611.html
上記URLから飛べる[20060610]フォルダに6つの動画が格納されています。3番目の動画は5隻目の単独行がうまくいった例、5番目の動画は白兵捕捉/離脱後の典型的な旗艦への集中砲火の例としてなどそれぞれに一見の価値ありですが、ここでは特に1番目の動画を扱います。艦隊構成は以下の通り。(動画解説の都合上、お名前もここに出します。敬称略、断りなしのご無礼お許しを)
攻撃側: レムオン Ryoji 超獣兵A マリオサン UOA(旗)
防御側: フェティ Vistalia セスタス ころやん goodbye(旗)
7分20秒に及ぶこの戦闘、局面局面ではそうとう手堅くノトスサーバに典型的な展開が維持されてかなりの名勝負の一つとも言える一方で、総体としては非常にレアな戦況が繰り広げられています。どのように珍しいかを列挙すると、
a. 戦局が一度も分断されていない
b. 白兵戦が無駄に連なるダンゴ状況がない
c. ライン際での攻防が皆無
d. 7分20秒に及ぶ撃沈ゼロ状態
という感じに。2vs2 + 3vs3 という起こりがちな分断が一度もなく、無意味な位置での無目的な白兵戦もまず起きていません。そして開幕後戦闘終了までの7分20秒間、沈没は最後の旗艦1隻のみ。なぜそうなったかを考えると、一つには実はこれ模擬開始後すでに3-4時間をへたあとの戦闘で脳筋プレイヤー以外はすでに寝てしまい、残った面子はみな十分にエンジンがかかってかつほどよく疲労しているため、凄味すら感じる操船をそこそこで見せつつも無闇な冒険はしなくなったという理由は多分あります。実際、わたしも含めいつもより抑えが利いてるかたがちらほら。
自艦の動きについて言えば序盤は様子見で回避優先、遠巻きに撃っていたのですが、中盤[2:38-]からは戦局の中心をぶった切り外へ出て、旋回後また中央を突っ切るという動作を繰り返しています。これは主に、提督の技量としてUOAさんがわたしより遥かに上なことをよく知っているための判断でした。もし戦局が分かれた場合、不利になるのは戦局に占める一隻当たりの重みが増すわたしのほう、なので敢えて単一戦局の渦中から離れないという発想です。すれ違いざまの僚艦に、自艦を追ってくる敵アッタカーへの不意撃ちを期待もしています。加えてUOAさんは提督時にも敵旗の撃沈を積極的に狙っていくタイプで、他の艦隊メンバーはいずれも両旗の状態を意識から外すことのない手練れ揃いなので、自然と戦局の分断やライン際での攻防が起こりえない展開に。
画面のそこかしこで見られる囲い込みの連携[ex.5:14-24]や、両舷側から挟み込む形での寄せの意識[ex.3:44-54]、攻守両面での僚艦白兵時の他艦による凌ぎ合い[ex.3:31,4:12-22,6:19-44]や、各々の弾筋や装填速度の読み合いのすえ相次いで生じるギリギリの角度と時差でのクリティカル回避、Mr.マリオサンのアイテム使用、スキル切り換えのタイミング等々、これから本格的に艦隊戦をというかたにとっては見れば見るほど活かせる点の発見があること請け合いです。ぜひ参考にしてみて下さい。同年同日録画の台湾サーバの動画群との比較という観点も面白いかも。(但し3ヶ月前のものゆえ、現役プレイヤーの戦術も今は変わっている点があることは付言しておきます)
またこのフォルダ中の動画には他にも以前リンクを貼らせてもらったAkiwoさんやFregeさんなど、すでに引退された猛者の姿も見られます。各々に味のある‘らしい’動きを見せてくれてます。戦いぶりにおいても明瞭にキャラの立つかたの登場する動画は、思わず感心する瞬間も多く観ていて楽しいものですね。
▼艦隊行動と個性 [予告]
さらに続きます。とはいえ長くなったので今宵はここまで。次回は「艦隊行動における個性とは」をメインに考えます。 以下オマケ↓ 動画で10分近くあるので、休憩時に甘いものとコーヒーでも片手にどうぞ。
Orbital "Halcyon" on the image of "2001 Space Odyssey"
http://www.youtube.com/watch?v=KXN9r6tPgHU
できれば音量大、動画右下のアイコンからフルスクリーンモードで鑑賞するのがよろしかろう。
曲はオービタル、映像は前回記事でご登場いただいたキューブリック“2001年宇宙の旅”からよく知られた‘あの’シーン。すでに見飽きたとお感じのかたも多いでしょうが、騙されたと思ってもう一度じっくり味わってみて下さい。何かしら新たな感興を催すはず。
以前に私的な音楽傾向を書いたことがありましたが[8月24日記事「一千の虚夢」]、それを読んだフレの一人からオフ会で会った際に“シュミ暗いなぁ”という感想をいただきました。(笑) もともとその記事に書いたようなダウナー系の濃い鑑賞傾向に至るのには、中学時代に1年ほどテクノ系のアップテンポな曲ばかり聴いた時期を経由してのことなのですが、オービタルはいわばその頃の名残りのようなものです。(いま初めてオービタルってカタカナで書いて、字面のカッコ悪さにちょっとびっくりw)
ともあれ世界各地でこの映像のダビングテープと、マツモトキヨシでは売ってないドラッグ類を仕入れてぶっ飛んだ経験をもつひとの総数は、もしかしたら数百万の単位では足りないかもですね。子を産む前、頭が禿げだす前の‘青春時代’をそうして過ごした世代が現実としていま世界を牽引していることに思いめぐらせば、日本を含むアメリカ同盟国による正義の殺戮も、環境破壊による文明社会の自傷行為もなんだかすべて微笑ましい子供の戯れのようにも思えてきます。はははは、ははは。いけません。
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