インデックスを置いておきます。
今回はおまけ編。
本記事は適宜更新予定です。
◆歴史小ネタ系
ビクトリア号復元計画: http://diarynote.jp/d/75061/20070218.html
大海戦のNPCたち: http://diarynote.jp/d/75061/20070212.html
にっぽんのガレオン船: http://diarynote.jp/d/75061/20070523.html
東アジアの海賊史: http://diarynote.jp/d/75061/20070603.html
北欧戦艦ヴァーサ: http://diarynote.jp/d/75061/20070722.html
沈没船と現代海軍: http://diarynote.jp/d/75061/20070617.html
帆走軍艦の世紀: http://diarynote.jp/d/75061/20070803.html
◆字幕あそび等
現状ボンベイTVのものが多いのですが、リンク先サイトのリニューアルで一度すべて見れなくなったようです。直せるものは直しましたが、一応記事内では新旧ふたつのURLを載せてます。いつ復活するかわかりませんしね。
『かいぞくにっき』 http://diarynote.jp/d/75061/20060623.html(現在見れず)
『ついに掘ったぜ!』 http://diarynote.jp/d/75061/20060624.html
『ついにとったぜ!』 http://diarynote.jp/d/75061/20060627.html
『副官をさがして』 http://diarynote.jp/d/75061/20060719.html
『かさなりたい』 http://diarynote.jp/d/75061/20060731.html
『アパルタメントで起きた怖い話』
http://diarynote.jp/d/75061/20060906.html(現在見れず)
『通常弾強化ついにこた!』
http://diarynote.jp/d/75061/20060912.html(現在見れず)
『わがまま言わない』 http://diarynote.jp/d/75061/20060924.html(現在見れず)
『身体言語スキルを発動しました』
http://diarynote.jp/d/75061/20061027.html(現在見れず)
『強化ロープの強度について』 http://diarynote.jp/d/75061/20061125.html
『生物の時間』 http://diarynote.jp/d/75061/20061231.html
『入港許可証』 http://diarynote.jp/d/75061/20070131.html
『買い付け旅行』 http://diarynote.jp/d/75061/20070718.html
『大航海時代の一悲劇』 http://diarynote.jp/d/75061/20070402.html
『帆走軍艦の時代』 http://diarynote.jp/d/75061/20070803.html
◆気になる動画など
bravia: http://diarynote.jp/d/75061/20060819.html
Coldplay: http://diarynote.jp/d/75061/20060824.html
Portishead: http://diarynote.jp/d/75061/20060909.html
Orbital: http://diarynote.jp/d/75061/20060920.html
Time Lapse: http://diarynote.jp/d/75061/20061129.html
Reno Balloon Festa: http://diarynote.jp/d/75061/20070121.html
Oxford Circus: http://diarynote.jp/d/75061/20070104.html
◆その他
Pirate Island: http://diarynote.jp/d/75061/20070209.html
ぐにゃ: http://diarynote.jp/d/75061/20070405.html
大相撲: http://diarynote.jp/d/75061/20070716.html
リンク先の外部URLを直接集めることも考えたのですが、付随する記事内の注釈がないと無意味になることが多いので記事URLでまとめました。個別のご感想などもしあれば各々の記事に書き込んでいただいて大丈夫です。新着コメント一覧で随時チェックします(笑)
そもそもなぜおまけ付き記事が定番になったかというと、当初このブログでは毎回プレイ日記と回想録をセットで記事にしていたんですね。(右欄テーマ一覧内“吐息の航跡”) それが終わってみると、どうもメインの記事だけでは据わりが悪く感じられるようなってしまったわけです。外部リンクを張ることで、記事に広がりができるというのもあるかも。読むうちに沸くかもしれない関心を外に受け流すというか。
「さよなら航路」のインデックス記事です。
この記事は適時更新していきます。
◆【吐息の航跡】 http://goodbye.diarynote.jp/?theme_id=1
キャラ作成時の記述から始まる回想録シリーズ
2006年1月25日に書き出し、同年6月9日完結。当初カテゴリーはこれのみでした
◆【常在戦場】 http://goodbye.diarynote.jp/?theme_id=2
“吐息の航跡”に後続する通常記事群。2006年6月23日開始
◆【海のなかの見えない航路】 http://goodbye.diarynote.jp/?theme_id=5
PC環境の改善を機に始めた新シリーズ。2007年3月10日スタート
◆【就職・転職】 http://goodbye.diarynote.jp/?theme_id=203
転職の際のご参考に
はじめは職業別・映画・歴史物という括りは意識してませんでした
◆【世界独航記】 http://goodbye.diarynote.jp/?theme_id=6
世界周航記念の5回限定記事。2007年8月24日-同年9月7日執筆
◆【海の庭】 http://goodbye.diarynote.jp/?theme_id=3
大海戦レポート。カテゴリー内インデックスは下記URLにて↓
【海の庭 index】 http://diarynote.jp/d/75061/20060824.html
他分類に混じっているものもあるので、実際の記事数は右欄表示よりも多いです
◆【艦隊戦要諦】 http://goodbye.diarynote.jp/?theme_id=4
具体的なプレイ指南よりも基本となる考え方にシフトしてみました
おもにベンチマークの低いPCでプレーしているかた向け
◆【水の棲み処】 http://goodbye.diarynote.jp/?theme_id=8
?
◆【links】 http://goodbye.diarynote.jp/?theme_id=7
Diary Note以外のリンクまとめです。適宜更新中
◆【index】 http://goodbye.diarynote.jp/?theme_id=9
当ブログの記事インデックスです。適宜更新中
以下はピックアップです。読み物になりそうな記事をてきとうに。
◇海事系豆知識とか
帆装と船速 : http://diarynote.jp/d/75061/20060624.html
ガレーと帆船 : http://diarynote.jp/d/75061/20070405.html
戦列艦と船史: http://diarynote.jp/d/75061/20070421.html
帆走軍艦史考: http://diarynote.jp/d/75061/20070803.html
海盆(と中華): http://diarynote.jp/d/75061/20060130.html
◇海賊まわり
無差別海賊 : http://diarynote.jp/d/75061/20060409.html
私掠海賊 : http://diarynote.jp/d/75061/20060719.html
賞金稼ぎ : http://diarynote.jp/d/75061/20070603.html
逃走と追撃 : http://diarynote.jp/d/75061/20060215.html
上納品など : http://diarynote.jp/d/75061/20070209.html
視線と猖獗 : http://diarynote.jp/d/75061/20061103.html
◇随想など
はじめまして: http://diarynote.jp/d/75061/20060125.html
ネットと世界 : http://diarynote.jp/d/75061/20060609.html
異文化とは : http://diarynote.jp/d/75061/20070131.html
月長石 : http://diarynote.jp/d/75061/20061003.html
フレンドリスト : http://diarynote.jp/d/75061/20070317.html
マニラの姉弟: http://diarynote.jp/d/75061/20070518.html
トランプ : http://diarynote.jp/d/75061/20070607.html
◇Cinema de 大航海
探検家 【ニュー・ワールド】 : http://diarynote.jp/d/75061/20070224.html
宣教師 【ミッション】 : http://diarynote.jp/d/75061/20060805.html
司祭 【薔薇の名前】 : http://goodbye.diarynote.jp/200805130518420000/
盗賊 【プランケット&マクレーン】: http://diarynote.jp/d/75061/20070623.html
レンジャー 【ファウンテン】 : http://diarynote.jp/d/75061/20070809.html
両替商 【ヴェニスの商人】 : http://diarynote.jp/d/75061/20060831.html
地方海賊 【パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち】:
http://diarynote.jp/d/75061/20060723.html
広域海賊 【パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド】:
http://diarynote.jp/d/75061/20070526.html
剣士 【アポカリプト】 : http://diarynote.jp/d/75061/20070725.html
准士官 【バリー・リンドン】 : http://diarynote.jp/d/75061/20060916.html
海軍士官 【マスター・アンド・コマンダー】:
http://diarynote.jp/d/75061/20060708.html
上級士官 【ホーンブロワー 海の勇者】:
http://diarynote.jp/d/75061/20071023.html
軍医 【ファイナル・ソルジャー】 : http://goodbye.diarynote.jp/200802140622420000/
大海戦、MVPを獲ってしまいました。
ギルドへ行って自分の目で確認しないことにはかなり信じがたかったのですが、どうも本当のようです。そこで珍しく即日更新。
そのうち一度は獲ってみたいなぁとは思っていたので嬉しいことは嬉しいのですが、自分は獲るタイプのプレイヤーではないなぁとも思ってきたので意外さもけっこう感じます。PC環境が変わってから攻撃型のスタイルが育ちつつあったとはいえ、やはりいろいろな好条件が重なった結果の産物とは言えそうです。この大海戦についてはまた定型のレポート記事にまとめますが、特に艦隊を率いる二提督の戦い方はこれまでにない水準を目にした観あり。
なにが嬉しかったって、長く同じ艦隊を組んできたメンバーがMVP獲得を喜んでくれたことが一番嬉しかったですね。
▽近況とおまけ
さいきんはIN時間がかなり減ってきています。これまでも減る時期はありましたから、すぐまた毎晩のように現れることになりそうですけど。いろいろと身辺が煩雑になっていることもあり、ブログの更新もかなり疎らに。このブログの場合、書いている時間よりも書くことを考える時間を集中して持てないと、なかなか更新するまでに至らないのが目下悩みの種です。
というわけで、おまけ代わりに今場所のみどころなど。今日って海の日なんですね。
癒やし系: 岩木山・雅山
ただ太っているだけの力士は数多くいますが、この二人は少し別格
肉の付きかたというか、揺れかたが優雅なんです。岩木山は現在十両落ち中。。。
ウルフ系: 安馬・安美錦
どちらもいわゆる小兵力士で痩せぎみですが、毎回精悍な取り口を見せてくれます
安美錦は今場所初日に朝青龍を破る金星を挙げました
どんどん系: 琴奨菊・稀勢の里
身長だけならこの二人のほうが小さいかも。琴奨菊の“がぶり寄り”は相当ユニーク
前進あるのみな二人ですが、単なる押し相撲ではなくしっかりと技を持ってます
なお世間的には今場所の注目は何といっても、ご当地名古屋での大関昇進がかかった琴光喜と目下24連勝中の新横綱白鵬の二人です。大航海時代のプレイヤーに大相撲をみるひとが少なそうなのはもったいない、というわけでいつになく妙に唐突な記事を書いてみました。(笑)
第25回大海戦@リューベック、レポートです。
初日 [旗艦] : 52勝 8敗 6分け 勝利ポイント 88 戦功 111
中日 : 61勝 4敗 5分け 勝利ポイント 105 戦功 135
千秋楽[旗艦]: 44勝 11敗 12分け 勝利ポイント 75 戦功 91
自身初のMVP獲得の他にもいろいろありました。初日の援軍旗艦初体験や最終日の総旗艦初体験、MVP時の経過分析など、後半が長くなるので前半2項目をいつもより短めに。
▼海戦総覧:
標的港はリューベック、会戦海域はユトランド半島沖+バルト海。連盟構成はヴェネツィア+イスパニアvsネーデルランド+ポルトガル。蘭+葡の防衛サイドは小クラスのNPC狩りで貯金を貯め、中大クラスでも数的劣位のなか奮闘、総合結果は4176:4106でほぼ完全な引き分けに終わりました。バルト海での大海戦はノトス初。補給に立ち寄ったウィスビーを今さら‘発見’したのは内緒です。
▼艦隊総括:
今回はこれまで一年以上に渡って続けてきた‘ほぼ固定艦隊’を解散、イスパニア模擬HPでの呼びかけに応じてくれた20人で4艦隊を組むことにしてみました。初日と3日目は当日の流れで初めての旗艦をやることに。毎日メンバー構成を一新したため、総括よりも以下の日ごとの記述に量を割きます。
それにしても、艦隊戦好きのプレイヤーが20人集まっても、旗艦をやってもいいと名乗りでるひとはなかなか揃わないものなんですね。わたしの場合もぜひともやりたいというわけではなかったので、いつも自分から進んでやるひとは凄いなぁ、貴重だよなぁと再確認(笑)
▼個人戦績:
初日 [旗艦] : 与撃沈/拿捕 14 決定打 7 被撃沈 7 与クリ 29 被クリ 17
中日 : 与撃沈/拿捕 21 決定打 9 被撃沈 1 与クリ 29 被クリ 2
千秋楽 [旗艦]: 与撃沈/拿捕 10 決定打 4 被撃沈 10 与クリ 24 被クリ 28
ちなみに使用船のオプションスキル、小中クラスではこれまで敵提督の捕捉に特化して直撃阻止を付けていたのですが、今回は現状ではより汎用性の高い機雷探索へ事前に付け換えていました。船種は機動型ガンボート・重フリゲート。
【初日: 援軍側旗艦・賞金稼ぎ】
初日は2時間前にIN。小型船や転職許可証の持参を忘れるなどあたふたしていたところ‘提督といえばこのひと’的なアバさんが前日に「僚艦してみたい」旨をつぶやいていたのを思い出し、それなら転職せずに旗艦をやってみてもいいか、と思いたって初めての旗艦体験が決定。職業は賞金稼ぎを継続。旗艦の職としては斥候や上級士官がやはり一般的ですけどね。
実際にやってみて一番難しかったのは、チャット指示の確認でした。特に吹き出しの出ない茶室内チャットでの「うしろの〜いく」などといった指示は、標的が視野にないうえこちらも策敵のため視線を張って諸作業を行いつつの牽引のため、とても気づきにくいものでした。ですから‘他のひとが言ってるからいいや’ではなく、提督が気づいて行動を変えるまで吹き出しの出る艦隊チャットを繰り返すことが艦隊メンバー全員に要請されるなぁと改めて強く思った次第。
次に援軍参加時の旋回行動。速度を落とさず敵提督へ重ねられればベストなのですが、そこは相手もベテランが多く援軍重ねが不可能なエリアへしばしば退避されてしまい、しかも混雑しているエリアでのマウスでの旋回は他の船をクリック表示してしまい曲がれないことも多発。そのうえ位置取りのみに集中していると、他艦隊の接近や仲間の指示への反応が遅れペア分断を許してしまうことも。
こうした旗艦特有の視点移動や旋回行動の難しさはもとより了解していたことですが、うまく重ねられたと思ったら援軍参加直後のフリーズのあいだにスルリと抜けられたり、敵提督が戦闘中の僚艦から距離を置いていると援軍可能範囲内でも重ねる直前にクリック窓が消えてしまうなど、実際にやってみると想像を遙かに超えて難易度の高いものでした。
ペア艦隊のガルさんが僅差でMVPを逃したらしく、獲得していればロワ乗り初ともなっただけに残念。というか‘自分があそこでこうしていればMVPいけたかもなぁ’と悔やまれる点ばかりで反省です。
それから専属の‘美人マネージャー(?)’を雇った艦隊メンバーがおり、これが思いのほか大きな助けとなりました。詳しくは↓
http://diarynote.jp/d/81364/20070714.html
http://diarynote.jp/d/81364/20070716.html
よく商人プレイヤーのかたなどが洋上で物資を安値提供してくれており、それはそれで非常に助かっているのですが、このマネージャーが違ったのは艦隊専属であることと、外見は美人でも脳みそはマッスルなのでこちらの思考パターンとタイミングをよく掴めていることでした。2日目の私のMVP獲得についても、このマネージャーの存在が一役買ってくれたのは間違いのないところだと思います。
▽おまけ
長くなったので続きは次回に。攻撃艦として参加しMVP獲得へ到った中日と、仕掛け側旗艦を初体験した最終日についてまとめます。以下おまけ。
『買い付け旅行』
ttp://www.grapheine.com/bombaytv/index.php?module=see&lang=fr&code=a969ab260ff71a1dd1b972efbd63ae2c
小ネタです。怒らないでください。
初日 [旗艦] : 52勝 8敗 6分け 勝利ポイント 88 戦功 111
中日 : 61勝 4敗 5分け 勝利ポイント 105 戦功 135
千秋楽[旗艦]: 44勝 11敗 12分け 勝利ポイント 75 戦功 91
自身初のMVP獲得の他にもいろいろありました。初日の援軍旗艦初体験や最終日の総旗艦初体験、MVP時の経過分析など、後半が長くなるので前半2項目をいつもより短めに。
▼海戦総覧:
標的港はリューベック、会戦海域はユトランド半島沖+バルト海。連盟構成はヴェネツィア+イスパニアvsネーデルランド+ポルトガル。蘭+葡の防衛サイドは小クラスのNPC狩りで貯金を貯め、中大クラスでも数的劣位のなか奮闘、総合結果は4176:4106でほぼ完全な引き分けに終わりました。バルト海での大海戦はノトス初。補給に立ち寄ったウィスビーを今さら‘発見’したのは内緒です。
▼艦隊総括:
今回はこれまで一年以上に渡って続けてきた‘ほぼ固定艦隊’を解散、イスパニア模擬HPでの呼びかけに応じてくれた20人で4艦隊を組むことにしてみました。初日と3日目は当日の流れで初めての旗艦をやることに。毎日メンバー構成を一新したため、総括よりも以下の日ごとの記述に量を割きます。
それにしても、艦隊戦好きのプレイヤーが20人集まっても、旗艦をやってもいいと名乗りでるひとはなかなか揃わないものなんですね。わたしの場合もぜひともやりたいというわけではなかったので、いつも自分から進んでやるひとは凄いなぁ、貴重だよなぁと再確認(笑)
▼個人戦績:
初日 [旗艦] : 与撃沈/拿捕 14 決定打 7 被撃沈 7 与クリ 29 被クリ 17
中日 : 与撃沈/拿捕 21 決定打 9 被撃沈 1 与クリ 29 被クリ 2
千秋楽 [旗艦]: 与撃沈/拿捕 10 決定打 4 被撃沈 10 与クリ 24 被クリ 28
ちなみに使用船のオプションスキル、小中クラスではこれまで敵提督の捕捉に特化して直撃阻止を付けていたのですが、今回は現状ではより汎用性の高い機雷探索へ事前に付け換えていました。船種は機動型ガンボート・重フリゲート。
【初日: 援軍側旗艦・賞金稼ぎ】
初日は2時間前にIN。小型船や転職許可証の持参を忘れるなどあたふたしていたところ‘提督といえばこのひと’的なアバさんが前日に「僚艦してみたい」旨をつぶやいていたのを思い出し、それなら転職せずに旗艦をやってみてもいいか、と思いたって初めての旗艦体験が決定。職業は賞金稼ぎを継続。旗艦の職としては斥候や上級士官がやはり一般的ですけどね。
実際にやってみて一番難しかったのは、チャット指示の確認でした。特に吹き出しの出ない茶室内チャットでの「うしろの〜いく」などといった指示は、標的が視野にないうえこちらも策敵のため視線を張って諸作業を行いつつの牽引のため、とても気づきにくいものでした。ですから‘他のひとが言ってるからいいや’ではなく、提督が気づいて行動を変えるまで吹き出しの出る艦隊チャットを繰り返すことが艦隊メンバー全員に要請されるなぁと改めて強く思った次第。
次に援軍参加時の旋回行動。速度を落とさず敵提督へ重ねられればベストなのですが、そこは相手もベテランが多く援軍重ねが不可能なエリアへしばしば退避されてしまい、しかも混雑しているエリアでのマウスでの旋回は他の船をクリック表示してしまい曲がれないことも多発。そのうえ位置取りのみに集中していると、他艦隊の接近や仲間の指示への反応が遅れペア分断を許してしまうことも。
こうした旗艦特有の視点移動や旋回行動の難しさはもとより了解していたことですが、うまく重ねられたと思ったら援軍参加直後のフリーズのあいだにスルリと抜けられたり、敵提督が戦闘中の僚艦から距離を置いていると援軍可能範囲内でも重ねる直前にクリック窓が消えてしまうなど、実際にやってみると想像を遙かに超えて難易度の高いものでした。
ペア艦隊のガルさんが僅差でMVPを逃したらしく、獲得していればロワ乗り初ともなっただけに残念。というか‘自分があそこでこうしていればMVPいけたかもなぁ’と悔やまれる点ばかりで反省です。
それから専属の‘美人マネージャー(?)’を雇った艦隊メンバーがおり、これが思いのほか大きな助けとなりました。詳しくは↓
http://diarynote.jp/d/81364/20070714.html
http://diarynote.jp/d/81364/20070716.html
よく商人プレイヤーのかたなどが洋上で物資を安値提供してくれており、それはそれで非常に助かっているのですが、このマネージャーが違ったのは艦隊専属であることと、外見は美人でも脳みそはマッスルなのでこちらの思考パターンとタイミングをよく掴めていることでした。2日目の私のMVP獲得についても、このマネージャーの存在が一役買ってくれたのは間違いのないところだと思います。
▽おまけ
長くなったので続きは次回に。攻撃艦として参加しMVP獲得へ到った中日と、仕掛け側旗艦を初体験した最終日についてまとめます。以下おまけ。
『買い付け旅行』
ttp://www.grapheine.com/bombaytv/index.php?module=see&lang=fr&code=a969ab260ff71a1dd1b972efbd63ae2c
小ネタです。怒らないでください。
前回記事の続きです。リューベック大海戦レポートの後半。
援軍側旗艦の初日ついてはすでに述べたので、今回はおもに攻撃艦として参戦した中日と総旗艦を務めた最終日についてなど。
▼個人戦績(のつづき):
初日 [旗艦] : 与撃沈/拿捕 14 決定打 7 被撃沈 7 与クリ 29 被クリ 17
中日 : 与撃沈/拿捕 21 決定打 9 被撃沈 1 与クリ 29 被クリ 2
千秋楽 [旗艦]: 与撃沈/拿捕 10 決定打 4 被撃沈 10 与クリ 24 被クリ 28
【中日: 攻撃艦・砲術家 → MVP獲得】
現状の仕様だと大海戦のMVPとは単にその日両陣営で最も多く戦功を稼いだプレイヤーを指すに過ぎないわけで、本当の Most Valuable Player がシステム上のMVPを輩出した艦隊の提督であることは他言を待たないところかと思います。
その意味でこの日の両提督(レム&abbaさん)の戦いかたには目覚ましいものがありました。自国が参加するほとんどの大海戦で総旗艦を務めてきた2人が珍しくペアを組んだわけで、相性次第ではどんなトラブルも起こりかねないというはかない期待も跳ね返し、どちらもが総旗艦と援軍旗艦の役割を十全とこなしていました。見極めが絶妙でした。
この点を最前提に、この日goodbyeがMVP獲得へ到った要因を考えてみると、
1.前日に旗艦をしており、無自覚に回避への意識が高かったこと(70戦で被クリ2など)
2.戦闘終了に直結する与撃沈に多く絡めたこと(含決定打9)
3.長く賞金稼ぎを続けていたため、砲術家転職で亀の甲羅を外した孫悟空状態に
などが思い当たります。攻撃艦で与撃沈21はまったく多い数字ではないものの、つねに旗艦を狙いつつ戦っていたためもあるのか、わたしが与撃沈をカウントした戦闘のおそらく全てが運も手伝い勝利に終わっていました。いくら撃沈数を稼いでも戦闘に負けたり敵旗艦を逃がしては戦功の点では無意味ですから、自旗艦の護衛と敵旗艦の捕捉を常に意識に置くことはやはり大事です。逆にどちらも他の味方にまかせて撃沈数を稼ぐスタイルは、大海戦では艦隊の力を弱めるはず。中遠距離からのコンボ撃沈に絡めた頻度は過去最高かも。
戦功数の獲得という点では、この日競っていたらしい2人がgoodbyeより合計レベルが高かったこともありますね。無駄に交易レベルを上げているのでわたしも軍人専のキャラとして低いほうではないのですが、やはりあまりフェアなシステムだとは思えません。
【千秋楽: 総旗艦・賞金稼ぎ】
最終日も砲術家でバンバン撃つつもりでIN。すると今度はやはり‘提督といえばこのひと’的なレムさんからも「僚艦してみたい」発言が。(笑) アバさん同様レムさんもふだんからいろいろお世話になってますし、できることなら全員が希望通りに楽しめるのがいいに決まっているので、それなら今度は仕掛け側旗艦で、艦隊メンバーに指南役+一応の代役としてレムさんを貰えることを条件に旗艦を名乗り出ることに。砲術家から賞金稼ぎへ再転職。
しかしその後の経緯で艦隊メンバーにレムさんを貰えず、代わりにきた艦隊メンバーの一人には「旗艦護衛しないけどゴメンね」と公言されたり。この発言もあって内心やる気はかなり削がれたのですが、長いあいだ大海戦を一緒にやり慣れたゴンサ船長が援軍側の提督を引き受けてくれたことは心強く、それを頼りに気を取り直して出航。初日の反省から、大海戦を長く一緒に戦ってきたひとのほうが意思疎通の面で有効だと思ったんですね。
実際にやってみた感想としては、まず新鮮だったのが交戦開始のクリック速度は思ったほど最優先の事項ではないということ。むしろ味方の援軍にとって敵ペア艦隊のどちらに仕掛けるのがいいのか、一瞬前に他艦隊により分断される恐れはないかといったクリック直前の判断がよほど結果を左右していました。また一瞬で把握できる情報量には限界があるので、艦隊メンバーからの指示が殊に比重を増しました。逆に言うと前後の文脈がなければ誤解を招くようなことは言ってほしくないわけで、「解散すべき」という指示をみて解散したら直前の戦闘についての感想だったというようなことも。
交戦開始後はとりわけ敵の援軍艦隊への対応に苦心しました。自分から深みに嵌ることや、撃沈を狙いにいって普段でも稀にみるくらいのアホ沈をしたり。敵援軍の参加可能範囲の読みや、敵旗に近づくか撤退を視野に入れるかといった判断には大海戦特有のものがあるので、120%経験がものをいう領域だと痛感。初心者のボロでまくりでした。やらずにあれこれ言うのはとても簡単なんですけどね。
味方の援軍提督はこちらがチャットを打つまえにその通りに動いてくれる場面が多く、さすがに周りが見えているなぁと感心しきりでした。ゴンサ船長謝々。
【トータルの感想など】
結果的に毎日役柄を替えることになり、予想外のMVP獲得までできた忙しない大海戦となりました。この結果から自船の戦力を客観的に省みるなら、やはり現時点でのgoodbyeは旗艦ではなく攻撃艦として使用するのがよろしかろうということになりそうです。砲術家で参加した中日の[決定打9 被クリティカル2]という数字に対し、仕掛け側旗艦での[被撃沈10]の値は初体験であることを差し引いてもコストパフォーマンスが悪すぎます。
初日は旗艦とはいえ援軍側で、主導権のある戦闘では攻撃に専念できたため、決定打数もペア艦隊10名中3位(自視点)でした。この点では艦隊編成もチームプレイの一環ですから今後も検討の余地がありそうです。転職証の用意が大変でしょうけど。(笑)
中日にMVPを獲れたのは記念にもなり良かったです。2年近くやってるゲームですし、一日おいてだんだん嬉しさがこみ上げてきました。
また最終日にはなぜ模擬同好会で出たのかわからない言動や具体性のない感想を指示口調で繰り返すひとがいたことも集中力を削がれた一因だったので、戦力的な問題からも構成員を選べない状況での旗艦はもうやらないほうがよさそうです。チャット欄の見極めに苦心しないようになれば別ですが、今はまだふだんから付き合いのあるメンバーで組めないとこうした点は楽しめないかも。連携行動もこの艦隊の持ち味なわけで。
今回の旗艦初体験については、一度は経験したことが今後に影響しないはずもなく、この機会にやれておいて良かったなと思います。旗艦が僚艦にしてほしいことを漫然とではなく、具体的に把握できる機会ともなりました。こうした機会を与えてくれた同好会常連の面々に感謝です。参戦された両陣営のみなさん、支援に関わったみなさん、おつかれさまでした。
▽おまけ
大戦艦ヴァーサ:
http://www.vasamuseet.se/InEnglish/about.aspx
1628年、スウェーデン王国の威信をかけて建造された戦艦ヴァーサが、処女航海へ出た途端にストックホルム湾内で沈没してしまいます。この戦艦は当時としては世界最大級の火力をもつものでしたが、その行き過ぎたスケールが仇となり、各所に設計ミスが生じていたようです。
ここまでは歴史上よくある話とも言えるのですが、沈んだ海底がちょっと珍しかった。日本では富山湾の一部海底などが知られていますが、塩分濃度と水温の関係で、稀に木材を腐らせる水中バクテリアが繁殖しない環境が生じるんですね。このために、戦艦ヴァーサは海中にも関わらずほぼ完全な形で現代まで保存されることになりました。1950年代に確認され、引き揚げられたのは1961年。
画像を見てもらえればわかりますが、保存の完璧度は驚愕に値します。船尾や船腹に高密度で彫りこまれた彫像群は部分的には西欧風の王室紋章を模しているものの、全体としては明確に異教的(非キリスト教的)な雰囲気が感じられますね。あくまで憶測ですが、ヴァイキングの伝統がもたらしたのだろう彼らの矜持をこうしたあたりに感じとってしまいます。
Job Description 9: 剣士 【アポカリプト】
2007年7月25日 就職・転職 コメント (4)
16世紀中央アメリカの密林の奥深く、スペインの侵攻を控えマヤ文明は最後の輝きを放っていました。映画の主人公ジャグァは辺縁の一部族に生まれ、妻子とともに部族間の熾烈な抗争にまき込まれてゆきます。
今回はポイントを3つに絞ります。全編マヤ語であること、敵役へのコンテンポラリーダンサーの起用、そして監督のメル・ギブソンについて。
◆全編がマヤ語
この作品が全編マヤ語で製作されたことは公開前から話題となりました。衣装にもセットにもこだわるのに言葉だけが現代英語(or日本製なら日本語)、みたいな歴史劇が普通に受け入れられるなかでこの達成は特筆に値します。むろんここには製作者の意図だけでなく‘全編字幕になっても現地語が良い’という方向への観客サイドの意識変化があることは言うまでもありません。“硫黄島からの手紙”[2006]や“バベル”[2006]といった高水準でかつ集客力のある作品にこうした傾向が見られることは、近年の大きな流れの一つと言ってよさそうです。
メル・ギブソンは前作(後述)でもアラム語(ヘブライ語混じり)やラテン語のみで脚本を仕上げていますから、もともとこういう映画を作りたかったのかも。
◆敵役へのダンサーの起用
主要キャストがほとんど前歴のない俳優たちで占められたことも話題に。もっともスコットランドの英雄を描いた初監督作の“ブレイブ・ハート”[1995]でも、メル・ギブソンは演劇学校を出たばかりの新人女優をヒロインに抜擢していますからこの点はさして驚くにあたらないのですが、そんななかで一人だけ出演者にフォーカスするなら、やはりラオール・トゥルヒロ(Raoul Trujillo)の存在は見逃せないところです。彼は本編のなかで主人公の青年を執拗に追い詰める戦闘的な部族の長ゼロ・ウルフを演じているのですが、壮年にも関わらず四肢の動きがいちいちキレと凄味を感じさせて、要するに無茶苦茶カッコよかったんですね。
とはいえわたしもこの役者を意識したのは初めてだったので、映画を観終わったあとネットで調べて驚きました。なんとこのひと、アパッチ族やユト族といったネイティヴアメリカンの血をひく、プロのコンテンポラリーダンサーだったのです。下記サイトの二人目に特集されているので興味のある方はどうぞ。
Native Peoples Magazine:
http://www.nativepeoples.com/article/articles/149/
さらに驚いたことに、わたしは前にも彼の演技を観ていたのです。このブログでも以前にとり上げたテレンス・マリックの“ニュー・ワールド”[2005]に出ていました。(というか当該記事[本ブログ2月24日記事]の画像の人物がそうです。‘DVDのながら観’だったからか意識化するに至らなかったものの、画像に使用したくらいなのでどこか引っかかっていたのかも)
プロの踊り手がアクション系の時代物で敵のボス役を演じている近例としては、日本では“たそがれ清兵衛”[2002]がすぐに思い浮かぶところです。現代舞踏家の田中泯はこの作品で妖艶なまでの剣技(というか足技)を披露してみせましたが、これは彼と戦う主人公を演じた真田広之が身体的な素養としても世界水準に達している役者であればこそでした。そうした意味で本作でのラオール・トゥルヒロの身体のキレを引き立てているのはジャングルの大自然と言えそうです。密林の土を足指でがっちりと踏みしめ、草葉を巻き上げて疾走していく姿は見応えがありました。
コンテンポラリーダンスというとなにか取っつきにくい印象もありますが、モダンダンスへの反駁というほか特に総括的な定義はないのが現状なので、非欧米圏におけるコンテンポラリーダンスの潮流としては往々にしてローカルな伝統文化に基づく身振りがクローズアップされてきます。この意味でラオール・トゥルヒロと田中泯の商業映画への起用とその成功には同じ論理が通底していそうです。個人的にこれは意外な発見でした。
◆メル・ギブソン監督作
メル・ギブソンの監督作としての前作“パッション (The Passion of The Christ)”[2004]は、血みどろのイエス・キリストを巡る表現が世上を賑わせましたが、本作“アポカリプト”においても残虐的な戦闘シーンはもとより、生贄の儀式や昆虫の首をもいで治療に使うシーンなど、その異色さは健在。この両作品で彼の映画監督としての立ち位置はほぼ固まったように思います。
以前この記事シリーズのコメント欄で少し述べたこともありますが(“ミッション”2006年8月5日記事)、やはりbloody-dirtyな手触りは彼の表現手法の根底に抜きがたく横たわっているようで、単に世間の耳目をひくために付加されたセンセーショナルな演出というよりは、むしろこうした暴力性の充溢こそが作品の本質になっています。
ただしここで注意しなければならないのは、映像表現として立ち現われてくるのはあくまで作り手もしくは受け手の内なる何かに過ぎないという点です。そのためこの場合であれば現代文明における‘暴力’が必ずしも他の文明にとっても‘暴力’たりえないのが当然である一方で、商業映画におけるストーリー進行は観客の共感を導くものであることが宿命づけられているために、他の文明を扱う際にはこの点での齟齬をどう乗り越えるかが大問題となってくるんですね。たとえば“パール・ハーバー”[2001]に登場する戯画的な日本人像に比べ、先にも挙げた“硫黄島からの手紙”でクリント・イーストウッドは極限下における人間倫理の普遍を描くことによりこの点をきっちりとクリアしていますが、メル・ギブソンは逆に徹頭徹尾アクション描写にこだわることでこうしたズレを無化する方法を採っています。
したがって“アポカリプト”の文明論的な部分を切り取って正しい正しくないと批評するのはそもそもがお門違いということにたぶんなります。たとえば生贄の儀式のシーンでマヤの司祭が民衆を前に現代の西洋人っぽい名声欲を丸出しにしたり、生贄の青年があたかも夏休みの旅行中に誘拐されて殺される前のバックパッカーのような反応を見せたりすることにはおかしさを感じざるをえないのですが、そこは監督本人もとうに開き直っているはずです。そもそもこの作品に比較文明論的な視座を見いだせるとしても、それは実際問題としてどうでもいいことなんですよね。最後のほうではスペインのガレオン艦隊が上陸を開始するシーンもありますが、やはり説明的な挿話以上のものにはなってなかったり。
メル・ギブソンは私生活では熱狂的なクリスチャンとして知られる一方で、“アポカリプト”公開前にはユダヤ人差別発言で物議を醸したりも。映画産業にユダヤ系資本が深く噛み込んでいる現状でこのパフォーマンスは致命的とも思えましたが、公開してみると真逆の大入り状態に。また俳優としての昨今のメル・ギブソンを観てみたいひとにはヴィム・ヴェンダース監督の“ミリオンダラー・ホテル”[2000]が一押し。すっごい変です。でも彼以外は考えられないほどのハマリ役。
“アポカリプト”の音楽を担当しているのはジェームス・ホーナー。“ニュー・ワールド”と同じです。ここらへんの調子の良さもメル・ギブソンならではかも。ここではいろいろと突っ込んだことを書いてますが、作品自体は頭をカラっぽにして楽しめる上質のチェイス物アクション映画になっています。おススメです。
"Apocalypto" by Mel Gibson [+scr] / Rudy Youngblood,Dalia Hernandez,Raoul Trujillo / James Horner [music] / 138min / US / 2006
※ 国内では先月半ば公開の新作ですが、早くも終了しだしています。これから観に行くかたはお急ぎを。レンタル開始はたぶん11月くらい。
今回はポイントを3つに絞ります。全編マヤ語であること、敵役へのコンテンポラリーダンサーの起用、そして監督のメル・ギブソンについて。
◆全編がマヤ語
この作品が全編マヤ語で製作されたことは公開前から話題となりました。衣装にもセットにもこだわるのに言葉だけが現代英語(or日本製なら日本語)、みたいな歴史劇が普通に受け入れられるなかでこの達成は特筆に値します。むろんここには製作者の意図だけでなく‘全編字幕になっても現地語が良い’という方向への観客サイドの意識変化があることは言うまでもありません。“硫黄島からの手紙”[2006]や“バベル”[2006]といった高水準でかつ集客力のある作品にこうした傾向が見られることは、近年の大きな流れの一つと言ってよさそうです。
メル・ギブソンは前作(後述)でもアラム語(ヘブライ語混じり)やラテン語のみで脚本を仕上げていますから、もともとこういう映画を作りたかったのかも。
◆敵役へのダンサーの起用
主要キャストがほとんど前歴のない俳優たちで占められたことも話題に。もっともスコットランドの英雄を描いた初監督作の“ブレイブ・ハート”[1995]でも、メル・ギブソンは演劇学校を出たばかりの新人女優をヒロインに抜擢していますからこの点はさして驚くにあたらないのですが、そんななかで一人だけ出演者にフォーカスするなら、やはりラオール・トゥルヒロ(Raoul Trujillo)の存在は見逃せないところです。彼は本編のなかで主人公の青年を執拗に追い詰める戦闘的な部族の長ゼロ・ウルフを演じているのですが、壮年にも関わらず四肢の動きがいちいちキレと凄味を感じさせて、要するに無茶苦茶カッコよかったんですね。
とはいえわたしもこの役者を意識したのは初めてだったので、映画を観終わったあとネットで調べて驚きました。なんとこのひと、アパッチ族やユト族といったネイティヴアメリカンの血をひく、プロのコンテンポラリーダンサーだったのです。下記サイトの二人目に特集されているので興味のある方はどうぞ。
Native Peoples Magazine:
http://www.nativepeoples.com/article/articles/149/
さらに驚いたことに、わたしは前にも彼の演技を観ていたのです。このブログでも以前にとり上げたテレンス・マリックの“ニュー・ワールド”[2005]に出ていました。(というか当該記事[本ブログ2月24日記事]の画像の人物がそうです。‘DVDのながら観’だったからか意識化するに至らなかったものの、画像に使用したくらいなのでどこか引っかかっていたのかも)
プロの踊り手がアクション系の時代物で敵のボス役を演じている近例としては、日本では“たそがれ清兵衛”[2002]がすぐに思い浮かぶところです。現代舞踏家の田中泯はこの作品で妖艶なまでの剣技(というか足技)を披露してみせましたが、これは彼と戦う主人公を演じた真田広之が身体的な素養としても世界水準に達している役者であればこそでした。そうした意味で本作でのラオール・トゥルヒロの身体のキレを引き立てているのはジャングルの大自然と言えそうです。密林の土を足指でがっちりと踏みしめ、草葉を巻き上げて疾走していく姿は見応えがありました。
コンテンポラリーダンスというとなにか取っつきにくい印象もありますが、モダンダンスへの反駁というほか特に総括的な定義はないのが現状なので、非欧米圏におけるコンテンポラリーダンスの潮流としては往々にしてローカルな伝統文化に基づく身振りがクローズアップされてきます。この意味でラオール・トゥルヒロと田中泯の商業映画への起用とその成功には同じ論理が通底していそうです。個人的にこれは意外な発見でした。
◆メル・ギブソン監督作
メル・ギブソンの監督作としての前作“パッション (The Passion of The Christ)”[2004]は、血みどろのイエス・キリストを巡る表現が世上を賑わせましたが、本作“アポカリプト”においても残虐的な戦闘シーンはもとより、生贄の儀式や昆虫の首をもいで治療に使うシーンなど、その異色さは健在。この両作品で彼の映画監督としての立ち位置はほぼ固まったように思います。
以前この記事シリーズのコメント欄で少し述べたこともありますが(“ミッション”2006年8月5日記事)、やはりbloody-dirtyな手触りは彼の表現手法の根底に抜きがたく横たわっているようで、単に世間の耳目をひくために付加されたセンセーショナルな演出というよりは、むしろこうした暴力性の充溢こそが作品の本質になっています。
ただしここで注意しなければならないのは、映像表現として立ち現われてくるのはあくまで作り手もしくは受け手の内なる何かに過ぎないという点です。そのためこの場合であれば現代文明における‘暴力’が必ずしも他の文明にとっても‘暴力’たりえないのが当然である一方で、商業映画におけるストーリー進行は観客の共感を導くものであることが宿命づけられているために、他の文明を扱う際にはこの点での齟齬をどう乗り越えるかが大問題となってくるんですね。たとえば“パール・ハーバー”[2001]に登場する戯画的な日本人像に比べ、先にも挙げた“硫黄島からの手紙”でクリント・イーストウッドは極限下における人間倫理の普遍を描くことによりこの点をきっちりとクリアしていますが、メル・ギブソンは逆に徹頭徹尾アクション描写にこだわることでこうしたズレを無化する方法を採っています。
したがって“アポカリプト”の文明論的な部分を切り取って正しい正しくないと批評するのはそもそもがお門違いということにたぶんなります。たとえば生贄の儀式のシーンでマヤの司祭が民衆を前に現代の西洋人っぽい名声欲を丸出しにしたり、生贄の青年があたかも夏休みの旅行中に誘拐されて殺される前のバックパッカーのような反応を見せたりすることにはおかしさを感じざるをえないのですが、そこは監督本人もとうに開き直っているはずです。そもそもこの作品に比較文明論的な視座を見いだせるとしても、それは実際問題としてどうでもいいことなんですよね。最後のほうではスペインのガレオン艦隊が上陸を開始するシーンもありますが、やはり説明的な挿話以上のものにはなってなかったり。
メル・ギブソンは私生活では熱狂的なクリスチャンとして知られる一方で、“アポカリプト”公開前にはユダヤ人差別発言で物議を醸したりも。映画産業にユダヤ系資本が深く噛み込んでいる現状でこのパフォーマンスは致命的とも思えましたが、公開してみると真逆の大入り状態に。また俳優としての昨今のメル・ギブソンを観てみたいひとにはヴィム・ヴェンダース監督の“ミリオンダラー・ホテル”[2000]が一押し。すっごい変です。でも彼以外は考えられないほどのハマリ役。
“アポカリプト”の音楽を担当しているのはジェームス・ホーナー。“ニュー・ワールド”と同じです。ここらへんの調子の良さもメル・ギブソンならではかも。ここではいろいろと突っ込んだことを書いてますが、作品自体は頭をカラっぽにして楽しめる上質のチェイス物アクション映画になっています。おススメです。
"Apocalypto" by Mel Gibson [+scr] / Rudy Youngblood,Dalia Hernandez,Raoul Trujillo / James Horner [music] / 138min / US / 2006
※ 国内では先月半ば公開の新作ですが、早くも終了しだしています。これから観に行くかたはお急ぎを。レンタル開始はたぶん11月くらい。