軍船
  軍船(いくさぶね)の古に思いめぐらすと、なかなかに興味深い世界が広がってきそうです。

  というのも古来より海原において人のあやつる舟という存在はどうにも無力で、その小さきもの同士がいくら競ってみたところで、海そのものがもつ深みには抗いようもありません。ここが土地の支配をめぐって陸地で行われてきた戦闘とは根本的に異なる点で、人々のうちで“制海権”という概念が共有されだしたのはどうも、帆船の性能がほぼ極限へ行き着き蒸気船の登場まであと一歩という帝国主義の時代に入ってからのようです。にもかかわらず、船上での戦いは遥か歴史の以前より繰り広げられてきました。その時々の事情や理由や大義名分等々によって。生死を賭けて。

  そこへゆくと逆風でも着実に進むことができ、乗船員たる自分が決して死ぬことはないこのゲーム内世界はいかにもファンタジックだけれども遊びですからそこはそれ、広がりのある世界観をうまくモニターの内側に定着させているよなぁと感心することも多いのは確かです。(もっといけると思える部分も多いけれども)

○3on3大会反省 [3on3海のアフロ王決定戦] http://diarynote.jp/user/81162/
  そんなわけで3on3予選出場のご報告。メンバーはELECTRA(猫教祖),abbacchio,goodbye(以下敬称略)、船種は全員ラ・ロワイヤル、搭載砲は全員メテオーラ砲16門という傍目にはややネタ艦隊な構成でした。しかし本人たちはけっこうまじめにこの仕様を選択してたり。でも艦隊名は“全員中華に間違われた経験者チーム”。……。結果は下記。

  初組:vs 東方 [はーちー,すつぬふ,レウス]         1勝1敗
  次組:vs ウナギ漁船団 [ヴィディア,サーザンド,大仏]   1勝1敗
  終組:vs DOL★STAR [甘寧興覇,ラックス,ぽるしぇ]   0勝2敗
  ※同組“?女組?”は不戦敗により敗退。

  ということで予選敗退でした、残念。同組のなかで誰の目にも一段抜けてる東方さんに分けた時点では決勝進出を予感したものの、最後が予想外の展開に。suikenさんのブログが「発想はおもしろかったけどバレたらやっぱだめでしたねw」(右リンクあり3月4日記事)と一言でまとめてますが、結果から言えばその通り。2敗したDOL★STARとは前日に練習模擬をしてまして、大きく勝ち越してたんですよね。しかし弱点をしっかりと把握されました。

  けれどもではこの構成がダメだったかというと、この限りではそうとも言えず。何しろgoodbyeと教祖のロワイヤルデビューが前日、ロワイヤルの接舷感覚を把握しないことが原因の被撃沈が各1で、ほぼそれだけが敗因の黒星が2つ。艦隊メンバーの漕ぎランク不足によるサポート限界がなければ回避できたかもしれない被撃沈も2。従ってロワイヤルを乗り慣らした漕船ランク平均9-10ほどのメンバーで臨むなら、かなり違った結果もありそうでした。とはいえ自分の被撃沈はやはり悔やまれます(泣)。戦闘中、所持能力の制約のなかでのabbacchioさんによる正確な戦術選択はさすがだなぁとあらためて感心も。

○5on5大会予記 [能登チャンピオンカップ] http://hrroom.ddo.jp/5on5/
  画像は今夜開催される5on5大会の勝敗予想。3on3に比べて計算できる要素が多いので、懲りずにまたやってみました。(元画像無断拝借しました、宣伝も兼ねてるということでご容赦をm(_ _)m) “?”は戦力拮抗orメンバー構成非公開のため予測不能な箇所です。ただ1戦勝ちぬけのトーナメント制なので、前回の5on5大会[2006年10月20日記事]に比べてそこかしこでどんでん返しは起きそうです。
  勝ちぬけ線の色が一部微妙に異なってますが、そこは気合のS字カーブです。個人的な注目点は、Panさん及びレイ・レイホゥさんの艦隊による初戦。このどちらかが勝ち残ると、2回戦以降トーナメントの様相は激変するでしょうね。じゅうぶんありうる話です。
 
  実をいうと今日は、この一年半やってきたPC環境での最後のイベント参加にたぶんなります。もともと悪いPC環境が今年に入ってからはさらに劣化し、最近はアイテム使用時だけでなく、ふだんの航海時に副官担当を替えようとして落ちることも頻発気味に。戦闘中に舵を切るタイミングが毎回変わる症状も悪化の一途にあり、以前からVistaが出たら新調しようかと思案していたこともあってとうとう決断へ。
  というわけで今夜はなんか総決算な戦いです。ってぜんぜんその手の無駄な意気込みとかはありませんけど、まぁ最後です(笑)。これまでけっこう僚艦に負担かけてきたので、せっかくなら次はF8押しっぱなしで修理連打とかもできる環境であってほしく。さすがにDOLだけを理由に買い換える気にはならず、本人的にもようやくですねといった風でほっと一息つけそうです。
壊音
  今回はおもに前回記事の続き、5on5大会の報告です。トーナメント結果は画像の通り。青線は予想的中、緑線は“?”をつけていた箇所、赤線は予想が外れた部分です。ともあれ大会運営のみなさん、企画運営ありがとうございました。また出場、観戦のみなさん、おつかれさまでした。
   能登チャンピオンカップ公式HP: http://hrroom.ddo.jp/5on5/

○優勝艦隊
  まずニル=ヴァーナさん代表の優勝艦隊。事前の参加登録段階ではメンバーが秘匿されていたものの、何となくほわぺさんや超獣兵さんといった古参の軍人プレイヤーで固めてきそうな予感がしたため、仏SWの固定艦隊に勝ち、艦隊戦猛者で揃えたA・F・O・Kとも拮抗するところまでは予想できました。けれども提督にSMB率いるMr.マリオサンが入ったのは予想外。各国のベスト艦隊を選ぶ投票がもしあれば、多くの軍人プレイヤーがポルトガル艦隊旗艦へMr.マリオサン、攻撃艦の1隻へニルさんを選ぶはずです。他のメンバーも誰もが認める熟練者揃いでしたから、これは強力。またほわぺさんのように特別何に秀でているという印象を与えることなく全体的に上手いひとが、実際には一番不穏だったり。(今回も決勝でレムオン旗艦を落とすなど活躍多々の由)

○堅調ポルトガル
  準決勝進出の4艦隊中じつに3つがポルトガル勢となったことも、本大会の大きな特色となりました。この点と前回大会ではポルトガル代表が他国代表に対し全敗を喫していたことから、国全体での軍人プレイヤー水準の変化を云々する向きもあるようですが、個人的にはそうした見解には否定的だったりします。何しろポルトガルほどアクティヴな軍人グループが多く並存する国は他になく、それぞれが独自に団体内模擬を開いているほどですから、全体の水準自体はNP3の時代から変わらず高いんじゃないかと。(同様に他国の水準が下がっているわけでもなく)
  ただこの分立傾向が、たとえば土曜の国別定例模擬が下火となった現状につながっているのは確かかも。今回の優勝メンバーは基本的に一匹狼型のかたが多く、ポルトガル模擬に人が集まらずイスパニア模擬によく合流してくる面々な気もします。
 
○注目の。
  また前回記事で注目点とした2艦隊では、Panさんの艦隊がやってくれました。この艦隊、イギリス東インド会社(商会)さん中心のメンバーにより構成されているのですが、定例模擬や大海戦でもよく見かけ、昨年秋あたりからここは強くなりそうだと思っていたんですね。イングランド模擬っこ倶楽部のみなさんが艦隊戦におけるパイオニアだとすれば、ここのみなさんにはイングランド新興勢力の筆頭というイメージがあります。しかも今回はどうやら撃沈センスに長けたmoopさんも参加したようで、これは怖い。(笑) どうやら旗艦以外はすべて砲術家でカロネード主戦だったようですね。コマンダージュストコール実装後の新しい流れかもしれません。

○猫は炬燵で猫艦隊
  画像右下は教祖の白チャットが微笑ましい、自艦隊初戦敗退5分前の図。自ら1回戦敗退を予想するとはナニゴトかとお叱りも受けましたが(笑)、もちろんやるからには優勝が望みです。ただこの1、2ヶ月でだいぶ練れてきたとはいえ、まだまだ他の脳筋艦隊と競る水準には遠いかなというのが実感です。それでも連戦時にはポツポツ勝ち星が出るようになってますから、今後は違います。いえほんと。

○煙幕砲と矢車菊
  画像左上は3on3大会での一コマ。自艦隊にとって理想的な形です。というよりメテオーラ砲搭載で与撃沈の見込みが薄くなっている以上、この形に持ち込めないと勝ち難い仕様ではありました。

  画像右上はヤグルマギクの青。英訳すると cornflower’s blue ですね。優勝艦隊のチーム名が気になって調べてみました。転じて“Cornflowerblue”は特定の青色(HTMLタグで#6495ED)の一般名称としても定着しているようです。なかなか素敵な艦隊名ですね。
水をさらい、砂をすくう
轟音とともに船体が傾き、水しぶきをあげて
自分の船が沈んでしまったからといって、
神妙にモニターへ向かって反省したり、
キーボードに八つ当たりをしていればいい
というものではない。

状況伝達や支援指示など、まだ戦っている仲間のために
できることはたくさんあるのだ。

ましてや深夜に‘大航海時代Online’で遊んでいると決まって
膝あるいは腕のうえに乗ってくる猫とたわむれだすなど論外なので、
ちょっとだけに留めてモニターへと目を戻す。
すでに航行不能となった自船から少し離れたところで、
敵味方の船が並走しつつ互いを牽制し合っているのが見える。

水面には、双方の船尾が揺らめく影となって映り出ている。
あぁそうなんだよなぁ、これなんだよね、本来の姿は。
とか思ってしまう。

おとといの夜、自宅に新しいパソコンが届いた。
機械の弱さにかけては天性の才能をもっていて、
すでにメーカーのほうでいろいろとセットアップされたものなのに、
何の用途かわからない部品を説明図通りにつなげ、
理由はわからないけどコードが幾本か余ったりもして、
箱を開けてから電源を入れるまでに4時間かかった。

きのうの夜、さっそく‘大航海時代Online’をダウンロードした。
とちゅう原因不明の障害発生を
キャンセルと実行ボタンの連打で幾度ものりこえて、
何とかゲーム内にINできた。
INした場所は、すでに勝手知ったるスマトラ島のパレンバンだ。

の、はずだった。
けれども見えている世界がどうも、記憶にあるそれとは違う。
もうじゅうぶんに慣れ親しんだ東南アジアの
水上集落の光景のはずなのに、何かが根本的に違って見えた。

正直、パソコンの性能が上がるだけで、ここまで変わるとは思わなかった。
モニター内で表現されている空気感、
自分のキャラを動かしたときのプレイ感覚、
聞こえてくるBGMの音域幅、
すべてこれまでとはまったく次元が異っている。

こういう新鮮な違和感というものは、
感じているそのときでなければたぶん書けない。
自分のなかでよく噛み砕き、すっきりと消化吸収したあとではもう、
初期の新鮮さは失われてしまっているものだ。

そんなこともあってやや唐突だけれども、
新しい記事シリーズを始めることにします。
過去の記事群よりもさらにモノローグっぽくなりそうなので、
せっかくだし文体も変えてみます。

もちろん継続中の各記事カテゴリーはそのまま続行予定です。
今後ともさよなら航路をどうぞよろしく。

※現状 Windows Vista での DL&SetUp では、どうも途中に何度か障害発生があるようです。その場合深く考えずに再試行を押すと、何度目かに不思議と成功していきます。参考までに。
 
春降りて澪引き
‘大航海時代Online’で遊び始めてもう1年半になるというのに、
自分の船の甲板を初めて見たのは
実をいうとついおとといのことである。
これまでの環境では、
べったりと灰色一色でしか表示されていなかった。

海原を行き交う船の白い航跡を見たのも初めてだ。
自分のパソコンでは設定をどういじっても航跡表示ができないことに
プレイしだして二ヶ月ほどたった頃には気づき、
以来このゲームについて他人の環境を羨ましくおもう理由の
筆頭にずっとこのことがあったから、
船尾に白く揺らめく泡沫のラインが現れたのは少し感動ものだった。

そう、わたしにとって、アイテム選択の画面が出にくいことや、
戦闘中にマウスポイントが消えることなどにもまして、
自船のうしろに白い航跡がのびてくれないことが
何よりの不満だったのだ。

それでまぁ、いまは見えているからご満悦なわけなのだけど、
この感動をわかち合えるひとというのはけっこう少数派であるらしい。
たとえばこのゲームでは航行中の船乗りがグラフィック上に
表現されることはないので、ガレー船などは無人の甲板で
無数のオールがひとりでに動いているのだけれど、
わぁなんか気持ちわるいねぇ、
などとチャットで感想を述べようものなら、
いまさら何を言うんだこのひとは、
という反応しか返ってこない。

雨が降ると、雨粒までしっかり見える。
すごいねぇ。
……。
雨粒も見えてなかったのかぐぴちゃん……。
とたいていはこんな風で、けれども自分にとってそれは
とても嬉しい発見なのだから、問題はまったくない。

問題はないのだけれど、そういうやりとりを幾度か繰り返しているうちに、
ふとある感覚がよみがえってくるのに気づく。
それはまだ‘大航海時代Online’を始めたばかりで、
ゲーム内で知り合ったまわりのプレイヤーたちにとっては当然のことに
いちいち驚いたり、面白く感じたり、
意外に思ったりしていた頃の感覚だ。

もちろん当時と今とでは、感じているものの中身はきっと
まるで種類が異なっていて、今の自分はたぶん他のプレイヤーが
このゲームについて共有していることのほとんどを
同じように踏まえている以上、何も知らなかった頃のようには
ゲーム内での物事を感じることはおそらくない。
にもかかわらずそこに何かしらの強い共通点があるからこそ
「よみがえってくる」と感じているわけで、
じゃぁそれは何なのかと頭をひねることになる。

そしてしばらく頭をひねってみるとそこにはどうも、
‘大航海時代Online’の世界にとって
とても重大な何かが潜んでいるように思えてくる。
いまはまだ予感の段階ではあるけれど、おそらくそれこそが
わたしがこのゲームをプレイし続けていくうえで、
決定的な役割を果たしているのだという感触がなぜかある。

幸いにもこのゲームでは、
地球を半周するような長距離の航海へ出ると
考える時間だけはたっぷりとできてしまう。
もとより結論を急ぐ必要などどこにもないのだから、
いまは感じていることの起源について
ゆっくりと想念を巡らせていくことにしよう。
なにしろ喜望峰まではまだ遠い。

 
夜のなかの見えない航路
今週から‘大航海時代Online’の拡張版第3章
“Spice Islands”が幕を開けていて、
焦点となる東南アジアの香料諸島域から遠く中南米の街々に
いたるまで、ゲーム内ではどの地域でも
年に数度あるかどうかというくらいの賑わいを見せている。

むかしの知り合いもぽつぽつ復帰していたりして、
お互いにやりたいことはたくさんあるから挨拶もそこそこに
それぞれの目的地へ向かうのが常だけれど、
いま思えばむやみなことをあれこれと試したり
一緒に右往左往した頃の記憶がよみがえってくるようで、
ひとこと交わすだけでも懐かしく、嬉しい。

このゲームでは仲良くなったプレイヤーとは
しばしば‘フレンド登録’を交わすことになるのだけれど、
その集積である‘フレンドリスト’は現状128人までしか登録ができなくて、
このことを共通の悩みとしているプレイヤーはたぶん少なくない。
なぜなら今あるつきあいを優先して、
いまはINしなくなってしまったけれど
いずれまた久々の出会いを喜べるかもしれない友人の登録を消すことは、
できることならやはりしたくないからだ。

そういう温かいつながりがじんわりと
他のプレイヤーとのあいだに育ってくるということは、
大規模オンラインゲーム自体が初めてのわたしにとって
‘大航海時代Online’を通じて得た経験のうち
最も予想外でかつ、一番貴重なもののひとつだとおもう。
 
 
それでいまわたしの船が何をしているかというと、
今回新たに加わった港の多い東南アジア一帯をとりあえず
一人で黙々と航行していたりする。
なるべく新しい情報を耳に入れないようにして、
何はともあれ世界の果てへと向かって突き進む。

たとえば現実世界での2007年3月現在、
ゲーム内世界での最東端はニューギニア島のなかほどを南北に貫く
経度線になっていて、この線にぶつかると、
見わたすかぎり何もない洋上でいきなり水夫のひとりに
 「船長! これ以上進むと世界の果てですぜ!
  進路を変えさせてもらいやす! 」
などと高らかに宣言されて船の針路が変えられてしまうのだけれど、
どこでそうなるのかは実際に行ってみなければわからない。

わからない、と言いきってしまうのも少し嘘が入っていて、
どうやらオンラインゲームというものは関連する各種の情報サイトを、
プレイヤーが参照することを前提に作られているようなところがあるらしい。
プレイしているのと同じモニター上で手軽に見られるのだから
これは致し方のない部分もあって、けれどもこのことから
その種のネタバレサイト群を見るプレイヤーと
見ないプレイヤーの両方ともに楽しめるように作られていることが、
オンラインゲームではその資質上かなり大事な要件となっている。

それで‘大航海時代Online’における「世界の果て」に関しては
わたしは一貫して「見ないプレイヤー」なんである。
なので理性的に判断すればあるはずのない‘何か’を勝手に予感して、
何もない海原をひたすらまっすぐ進むことになる。
水夫さんたちからみれば、このうえなく不安な船長なんである。
えらんだ船がわるかった。

白状しよう。
ゲームを始めて間もない頃、
すでに南極は目指した。
東南アジアが実装された翌週には、
オセアニア大陸も確かめた。
じゃぁ具体的に何を確かめたのかといえばたいていは、
‘そこにはまだ何もない’ことを確認したに過ぎないのだけれど。

そもそも日本も中国もガラパゴス諸島もまだないというのに、
南極なんてあるわけない。

そんなこと本当はもう、航海に出るまでもなくわかってしまっている。

でも、ね。
‘大航海時代Online’の世界にとって本当に重要なことはたぶん、
どれくらい史実に即した地理や船、街並みが再現されているのかということや
ディティールがどれほど作りこまれているかということの
‘外’にある。

あるかどうかもわからない‘何か’に対して
プレイヤーがそれぞれに自由なイメージをふくらませ、
存分に空想を広げることのできる世界。
その‘何か’の息吹きをひそやかに、
けれどもたしかに聴きとることのできる世界。
そういう世界が息づいているかぎり、きっとわたしは夜ごと
‘大航海時代Online’に浸りたいと望み続けるのだろうとおもう。
 
 
まだこの世界における一番東端の港がカルカッタだった頃、
いまはプレイを止めている仲の良いフレンドの一人と、
夜な夜なマラッカ海峡を目指したことがある。

セイロンから東方へ、ほかには誰もいない海をずんずん進んで、
アチンもパレンバンもまだなかったけれど、
スマトラ島やマレー半島の陸影だけは先に実装されていて、
そのときはまだ見えていない港町の喧噪を
しっかりとそこに見ていた。
そしてその海峡に少し入ったところで現れたガレオン10隻と戦った。

この海賊たちは想像していたよりずっと強くて、
二人とも何度も沈んで、大量に積んできた資材も弾薬も尽きかけたとき、
相手の旗艦が奇跡的に混乱状態におちいって、なんとか拿捕に成功した。
それはこれまでプレイしてきた記憶のなかで、
いまだに最も熱中した戦闘の一つとなっている。

激しい海戦が終わって、もう水も食糧も残りわずかになって
いたのだけれど、さらに東へと針路をとった。
まだ誰も踏み込んだことのない領域を
自分たちだけがいま目にしているのだというように、
とてもわくわくしたのを覚えている。
でも結局、マラッカ海峡を抜けることはできなかった。
当時はそこに「世界の果て」が存在していたからだ。

そのあとのことはよく覚えていない。
おそらく艤装をぼろぼろにしてあたかも漂着でもするように
どこかインド東岸の港へとたどりつき、
お互い疲れきったまま何をする間もなしに
眠りへついたのだろうとおもう。

けれどその眠りはきっといつもより、
ほんの少し充実したものだったにちがいない。
‘フレンドリスト’の、もうずっとオフラインを意味する灰色表示のままの
友人の名をみるたびに、そこからはいつもこうした記憶がほんのりと
にじみだしてくる。
だから消せるわけ、ないんだ。

 

アジアの砲哮

2007年3月23日 海の庭
アジアの砲哮
  東南アジア大海戦、恒例のおそおそレポートです。

   初日   : 43勝  0敗  3分け  勝利ポイント  87  戦功  98
   中日   : 36勝  1敗  8分け  勝利ポイント  78  戦功  94
   千秋楽 : 36勝  9敗  5分け  勝利ポイント  70  戦功  77

  以下書式は‘海の庭’カテゴリー(右欄)の過去記事群に準じます。今回は1ヶ月遅れに。

▼海戦総覧:
  ネーデルランドが初めて主導する大海戦、標的港はなんとバンダ海はマカッサルに。日本国内全4サーバでは初の、というかおそらくDOL全体で初の東南アジア大海戦となりました。
  連盟は蘭+英 vs 仏+西。会戦海域はバンダ海+ジャワ海。対人戦闘の主戦局はバンジェルマシン、スラバヤ、ジャカルタの各港近海域にほぼ限定されました。全体の流れとしては初日の序盤こそマラッカやマカッサルへも艦隊が展開したもの、艦隊数全体の少なさから早期にバンジェルマシン−スラバヤへ集中、次第に仏西側の数的優位に押される形で蘭+英側の集合場所であるジャカルタ沖へ戦局が伸びる形に。

  結果は3クラス3日間のべ9クラスのうち6クラスで仏+西サイドが勝ち越すというものでした。が、運営における公式裁定はフランス側の「辛勝」。これはNPC艦隊の出現数差により勝敗数差がつきにくくなった一連のシステム修正の影響が大きいのですが、さすがに運営もこの表現と実状とのギャップに気づいたのでしょう。次の大海戦からは結果裁定の表現基準と勝敗率による標的港影響度の変動幅が大きく変わるようです。この修正が入ってからすでに1年がたっていますから、ようやくですね。(- -;;)
  今回印象的だったのは、昨年暮れまで常に数的優位の状況を形成維持してきたイングランドが圧倒的に数的不利な情勢を戦っていたことです。遠隔地とはいえ他の3国が‘それなり’の動員をみせていたのに対し、イングランドだけは普段の大海戦で見るような軍人さんが軒並み半減という印象でした。他ブログなどを見るに、その理由としてノトスイングランド特有のお国柄や今回に限った地理的事情を考えるかたが多いようですが、思うに単に大海戦に飽きた軍人さんが一番多いからというのが大きいかと。昨年7月以降、ノトスイングランドはすべての大海戦に参加し続けている唯一の国ですから。
  またこのためもあって、ネーデルランド艦隊のプレゼンスが以前よりずっと増していました。これは良いこと。何しろ主導国でしたし。

▼艦隊総括:
  3日目は大型クラスの半ばまで、自艦隊が4隻の状態で戦っていました。これは思った以上に戦闘内容へと影響しました。結果として初日は無敗、2日目は1敗のみという好成績に対して、3日目は9敗と大きく後退しました。
  わたしのいる艦隊は援軍参加を常套とするため、多くの場合戦闘開始とほぼ同時に1隻は敵旗艦へと接舷します。敵旗艦のみへ白兵ということはまずなく、たいていはその周囲でもう1隻も接舷。すると本来残りの味方3隻で敵旗艦の白兵離脱後の即撃沈を狙えたのが、4隻艦隊では2隻になってしまいます。敵護衛艦に対し回避行動をとる必要はどの船にもありますから、3隻と2隻では最初の一撃による戦闘即決の可能性に半減以上の差が出ます。そのあげく最初の離脱後チャンスを逸したまま数的不利のなか次々と撃沈されていき、ペア全体の黒星へと直結する事態の頻発へと至ったわけです。

  初日に自艦隊からMVPを出した結果、2日目に干されるという展開まではいつも通りだったのですが、3日目にもかなり頻繁に避けられてしまい、「よく見てよ〜、今なら1隻足りないお買い得艦隊なのに〜」などと思ったりも。実際ふだんなら撤退されることはあってもまず負けそうにない艦隊に対しても、この日は旺盛に勝ち星を献上していました。ちなみに引き分け数の内訳は[逃げられ/自撤退]で初日[3/0]、中日[7/1]、千秋楽[3/2]。
  野良艦隊での参戦の場合、戦いながら次のクラスの艦隊メンバーを募集編成していくということはごく普通に行っているわけですが、自艦隊はずっと‘ほぼ固定艦隊’としてやってきたため、ここらへんで柔軟性に欠ける面はあったかもしれません。ただこういう悪条件下での苦戦というのも初めてのことだったので、それはそれでみな楽しんでいたのも事実です(笑)。これで9敗というのはそこそこ上々とも言えそうです。

▼個人戦績:
   初日   : 与撃沈/拿捕  7  決定打  3  被撃沈 3  与クリ  8  被クリ  5
   中日   : 与撃沈/拿捕 12  決定打  3  被撃沈 4  与クリ 19  被クリ  4 
   千秋楽  : 与撃沈/拿捕 14  決定打  5  被撃沈 7  与クリ 19  被クリ 13

  やはり3日目、この戦闘回数でこの被クリティカル数は少し貰いすぎですね。
  以前にも一度書きましたが、こうして各数値を起点に書き連ねると、どうしてもそれらのみを重視しているように映る嫌いがあります。けれどもgoodbyeの場合は毎回同じ‘ほぼ固定艦隊’で戦っているため、こうしたわかりやすい数値は自分の状態を図るためのバロメータとなりうるのですね。ただ今回に関してはとくに好調ということはなく、かといって絶不調という日があったわけでもない感じで、とりたてて書くべきことを思いつかないので継続の意義から数値のみ留めておきます。本音を言えばけっこう忘れてたりも。
  ・・・・・・。

▼画像とおまけ:
  画像上半は今回たぶん唯一戦った大型NPC。対人で干されて暇だったときのものです(笑)。下半の戦績画面は左から日付順。以下おまけ。

    Pirates of the Caribbean: At World’s End :
    http://www.disney.co.jp/pirates/

  かの大航海映画第3弾『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』、公式HPができていました。本編は5/25世界同時公開とのこと。3/21-26のみリンクされてるYahooサイトから‘予告編の先行公開’もされています。題名通り‘世界の果て’が映像化されるほか、前作にも出ていたイングランド王立海軍、巨大イカのクラーケンに加え、イスラム海賊、中華海賊なども登場するようです。ちょっと楽しみですね^^

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